Laboratory
現代の日本の都市は、地球環境問題への対応、頻発する災害に対する強靭化、国際的競争力の向上といったグローバルな課題と同時に、地域コミュニティの再生、小さな経済の創出、地域資源の持続的な管理といったローカルな課題を抱えています。さらに、これら一つ一つの課題は複雑化しており、分野横断かつ多主体連携での対応なしには、持続的な都市の発展を展望することはできない状況にあります。
研究室では、このような、現代都市の課題解決に向けて、グローバルとローカルの問題を行き来する視点/多分野かつ多領域にまたがる問題へのアプローチ/市民、民間企業、行政などとの協働に着目して、都市計画・まちづくりに関する研究・活動を行ないます。
教員からのメッセージ
私の専門は、都市計画とまちづくりです。そのなかでも、研究の関心領域は、持続的な都市環境とそれを生み出す自然と社会の相互作用、そして、そのような都市環境を現代の人々が能動的に受け入れていくためのデザインや仕組みにあります。
元来、日本では、厳しい自然の制約に適合した、地域特有の都市形態と、文化的特別さを持ったコミュニティが育くまれてきました。このような地域の自然・社会に適合した都市デザインは非常に貴重なものであり、今なお学ぶべきことがたくさんあります。このうえで、現代都市の持続的な発展を展望していく際には、伝統的な資源管理や都市の形態だけではなく、新技術の活用や他地域との知識交流も積極的に行い、現代の社会活動に即した、新しい持続的な都市環境の創造を行うことが求められていると考えています。
研究室では、学生の皆さんと一緒に、「人」を中心とした「生態系」「文化」との相互作用をもととした持続的な資源管理や都市社会の研究・調査、近未来の「人」自体の変化に対応した都市環境の構想に取り組んでいきたいと思っております。設立したばかりの若い研究室ですが、これから20~30年先の都市・まちづくりを考えたい、意欲的な学生の参加を期待しております。
教員プロフィール
東京科学大学 環境・社会理工学院 建築学系 都市・環境学コース 准教授
1985年生まれ、東京都出身
東京工業大学大学院社会理工学研究科社会工学専攻修士課程、MSc Planning, Design and Development, University College London、東京工業大学大学院社会理工学研究科社会工学専攻博士課程、博士(工学)
学位論文「都市近郊農地の持続的な維持管理に向けた共同活動の現代的役割」(東京工業大学, 2016.9)
北陸先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科 助教、東京工業大学環境社会理工学院 特任助教を経て、2022年5月より現職
(専門)
都市計画、まちづくり、環境社会学
(研究キーワード)
地域性、オーセンティシティ、地域資源管理、コモンズ、用水、グリーンインフラ
(賞罰)
日本都市計画学会学会賞論文奨励賞(2017年)
(担当経験のある科目)
- 「都市計画学」高崎経済大学, 2021年~現在
- 「地域学・金沢Ⅱ(分担)」金沢星稜大学, 2021年~現在
- 「観光地域サービス論(分担)」北陸先端科学技術大学院大学, 2018年~現在
- 「社会科学方法論(分担)」北陸先端科学技術大学院大学, 2018~2019年
- 「地域経営のための公共哲学(分担)」北陸先端科学技術大学院大学, 2018~2019年
- 「Next Generation Knowledge Management(分担)」北陸先端科学技術大学院大学, 2018~2019年
(地域活動)
- NPO法人 Orizuru Project(設立理事), 2020年~現在
- 認定NPO法人趣都金澤(地域コミュニティ委員会 副委員長), 2019年~現在
- 北陸グリーンインフラ研究会(共同設立人), 2018年~現在
- 任意団体 金沢の百年後のまちづくりを考える会(共同設立人), 2018年~現在
- 北陸観光研究ネットワーク(共同設立人), 2018年~現在
- (一財)エコロジカル・デモクラシー財団(アドバイザー), 2018年~現在
- NPO法人金沢クリエイティブツーリズム(会員), 2017年~現在
- 認定NPO法人水のフォルム(会員), 2015年~現在